現在の沖縄陶器
現在の沖縄陶器
沖縄では6600年前頃から土器が作られ始めたとされており、初期の土器の多くは甕などの大物で、12世紀まで土器の時代が続きます。 沖縄陶器のルーツは壺屋焼にあるとされております。
17世紀、琉球王朝が各地に点在していた窯を統合して壺屋の地に移し、発展しました。 「球陽」七巻尚貞王十五年(1683年)頃には「陶窯ヲ牧志邑ノ地ニ移設ス。昔壺屋アリ、美里群ノ知花邑、首里ノ宝口、那覇ノ湧田等ノ地ニアリ。共計レバ三所、コノ年ニ至リ、ソノ三地、陶窯移ノシ牧志邑ノ南ニアリ、以テ一所トナスナリ」とあります。(※「琉球の文化」より抜粋)
これが壷屋焼の始まりで、現在の沖縄陶器の源流とされています。 土器とは焼物の最も古いもので、粘土を成形して800℃前後で焼いたもの。 強度は脆く、釉薬は使われません。 陶器は 焼成温度が1000℃から1200℃と高くなり、強度も高い物になります。
吸水性がありますが、通常は釉薬を掛けて水漏れを防ぎます。
沖縄の陶器には荒焼(あらやち)と 上焼(じょうやち)との2種類があります。
荒焼は、基調となる黒土に火度調整と艶出しのために赤土を混ぜ合わせた土を用い、焼成温度は900~1120℃と比較的低めの温度(すごく熱いですけど)で焼かれた素焼き、又は焼締めがほとんどです。水甕や食料貯蔵用の甕類など大型のものが多く焼かれました。
こういった大物をマギムンと呼ぶそうです。 泥釉・マンガン釉のみを掛けた陶器で釉薬を殆ど使わないため、その力強い加飾技法と、窯変(ようへん)と呼ばれる制御の困難な炎の作用によって、独特な作風を生み出しました。
昔は壺屋近辺で土が採れましたが、現代では大変入手困難となっています。 上焼は、釉薬をかけて焼き上げた陶器で、様々な釉薬を用い、下絵や赤絵で沖縄独特の大胆な文様が描かれます。
焼成温度は1200℃で、赤土の上に白土で化粧するのが特徴的。施釉、加飾、上絵ととても変化に富んでいます。現代の沖縄陶器のほとんどは上焼に属します。 琉球王朝時代は上焼の土や薪などは北部から船で港まで運び、壺屋までは馬車で輸送したそうです。
現在、壷屋では住宅地等が発展し、読谷の地に窯場を移す計画が起こりました。 それが「やちむんの里」です。 読谷の地では新しい沖縄陶器が日々生み出されております。
ちなみに、やちむんとは沖縄の方言で焼き物のことを指し、琉球石灰岩を敷きつめた壺屋ちむん通りでは、伝統の壺屋焼のお店が建ち並びます。 懐かしい風情漂う街並みはどこか懐かしく、歴史を感じさせてくれます。
沖縄の装飾文様は独特で、魚文、海老文や蟹文など、海に囲まれた沖縄ならではの文様が主となります。代名詞ともいえる魚文は生き生きと描かれ、民藝調ともいえる古陶器のシンプルな色絵は、かえってモダンな印象を与えてくれます。
陶器の変遷
唐草文様などの植物文様も南洋諸島のオリエンタルな影響を感じさせます。 石垣島では油滴天目の進化がみられます。 宮古島でも魅力的な作品が生まれてます。 各地の窯場へ行くと、職人が線彫(せんぼり)という陶器に直接文様を彫る姿をよく見かけることができます。
魚の文様などを彫り起こす様は、伝統の職人技を感じさせる光景です。
また、現在では焼き物には不向きとされていた宮古島の土を、作陶に十分耐える土と証明した宮古焼や、石垣島でガラスと陶器の融合を図る石垣焼など、各地で新しい沖縄の陶器が生まれており、今後さらなる発展が期待されています。
豪快な甕や泡瓶、そして色とりどりの絵付けが施された沖縄の陶器はどこか懐かしく、温かみを感じさせてくれます。 素朴さや純粋さを感じさせる沖縄陶器は、人の心を優しくしてくれる魅力を持っているのではないでしょうか。